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2019.12.14

ドリフト(D1/IDC)

200km/h! D1GPゼロヨンドリフト

時速200キロからサイドブレーキを引く!

2015年、D1GP鈴鹿で収録された企画です。200キロオーバーで進入するD1選手たちが、どのようなマシン製作をして、どのようなテクニックを駆使しているのかを聞いています。

まず、話を聞いたのは180SXにこだわる「唄和也」。

唄選手がこだわるのはサスペンションのセッティングです。

サスペンションの伸び側と縮み側、それぞれをセッティングできるサスペンションをしっかりセットすることでトラクションを稼ぎ、しっかり加速していく必要があります。

タイヤは基準値より高めである2.7キロに設定したほうが、速度が乗せられたそうです。

そして、速度を乗せるうえで重要なのがエンジンパワーです。唄選手のマシンは「SR20」をベースに「VEヘッド」に換装してあります。そのメリットとしては、高回転を回した際「ロッカーアームの脱落」がSR20の泣き所となるのですが、VEヘッドに換装することでそのトラブルはほぼ無くすことができるのです。

続いて登場するのは、4度のD1シリーズチャンピオン獲得経験者である「今村陽一」です。マシンは86をベースに、ナスカーで使用される「V8 NA」エンジンを搭載しています。

今村選手のマシンで注目ポイントは「エアロ」です。加速をするうえで重要な「トラクション」を稼ぐべく、大きなリヤウイングが装着されています。日本のレースの最高峰「スーパーGT」で使用したウイングのおさがりを装着しているそうです。

テクニックとしては大きなサーキットであるが故、マシン操作はエビスなどのミニサーキットに比べると、かなりゆっくりなのだそうです。

続いての登場は、この企画の前年2014年のD1シリーズチャンピオン「高橋邦明」。マシンはマークXに「2JZ」を搭載しています。

元々3リッターである排気量を、アメリカのチューニングパーツメーカーである「BC社」のストロークアップキットを組み込むことで、3.4リッターまで排気量アップされています。十分な排気量があるため、巨大なタービンを回すことができ900馬力という強烈な馬力を獲得できています。

唄選手と同じくこだわりとして挙げたのが「サスペンション」です。バンプ&リバンプ、すなわり伸びと縮みを両方セッティングすることで、巨大な馬力を逃さず地面へ伝えることができるのです。

ウイングにもこだわりがあります。元々、このマシンはリヤトラクションに難がありました。そこで、巨大なウイングを装着し、さらには「ガーニーフラップ」も装着することで、リヤトラクションは大幅に向上したそうです。

また、マシンを横に向けて走る「ドリフト中」に角度が付きすぎないよう、ウイングを支えるステーにも一工夫してあります。ここへ風を受けることで、角度の付きすぎを軽減することができているそうです。

最後に登場は前年の2014年から「35GT-R」でD1へ参戦していた「川畑真人」。

3.8リッターあるV6エンジン「VR38」は1000馬力オーバーという、とてつもないパワーを発生させます。そのモンスターマシンを、うまく加速させ、さらにコーナー中も余計なシフトチェンジを減らすため川畑選手がこだわったのが「ファイナルギヤ」の選択です。

お台場の設定に対し、鈴鹿の方がギヤはロングに設定されています。そうすることでシフトチェンジの回数を減らし、スムーズな加速を得られます。さらに、コーナー中も「VR38」による強大なトルクによって、シフト操作なしでクリアできるのだそうです。

200キロオーバーから車を横に向けるなんて、我々一般人には到底考えられませんがD1選手にはそれぞれに、そこを戦い抜くためのノウハウがあるんですね!

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